知らないと損する!高額療養費制度の基礎と活用法をわかりやすく解説

お金・制度

看護師として働いていると、患者の看護だけでなく医療費などお金についての知識も必要となってきます。また、実際に働いている中で生活保護を受給している患者や、貯金がなく支払いができないといった患者も多く目にします。

看護師がお金のアドバイスをすることはありませんが、患者の退院後の生活も見据え多職種と連携をとりディスカッションすることもあるため、お金や保険、制度については知っていることも多いです。

そんな中で今回は高額療養費制度について調べたことを元にまとめることにしました。

病気やケガで高額な医療費がかかると、家計への負担が心配になりますよね。そんなときに活用したいのが「高額療養費制度」です。この制度を知っているだけで、大きな医療費負担を軽減することができます。

この記事では、高額療養費制度の基本から申請方法、実際に役立つポイントをわかりやすく解説します!


高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、1カ月の医療費(自己負担分)が一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される仕組みです。
この制度により、入院や手術、長期間の治療が必要になった場合でも、家計の負担を抑えることができます。


どんな条件で使えるの?

高額療養費制度を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 日本の公的な健康保険に加入していること
  • 1カ月の自己負担額が「自己負担限度額」を超えていること
  • 保険適用内の医療費であること(自由診療や差額ベッド代は対象外)

ここでいう公的な健康保険とは、民間保険(第一生命保険、アフラック、明治安田生命保険など)のことではありません。

公的医療保険

  1. 日本は国民皆保険
  2. 必要最小限・平等
  3. 自己負担は原則3割
1.国民皆保険

日本国民全てが入っている保険です。

職業などによって加入する保険に違いがあります。

<strong><span class="marker-blue"><span class="fz-28px"><span class="fz-20px">会社員・公務員</span></span></span></strong>
会社員・公務員

健康保険

(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合など)

<strong><span class="marker-blue"><span class="fz-20px"><span class="fz-18px"><span class="fz-16px">自営業者・<br>フリーランス</span></span></span></span></strong>
自営業者・
フリーランス

国民健康保険

<strong><span class="marker-blue"><span class="fz-18px">高齢者</span></span></strong>
高齢者

後期高齢者医療制度

2.必要最小限・平等

健康保険制度の理念は「必要最小限・平等」です。

必要最小限という言葉通り、保障の対象にならないものもあります。

公的医療保険で保障されないもの
  • 先進医療
  • 治療以外の医療行為(美容整形・レーシック等)
  • 保険対象外の医薬品
  • 病院の個室(差額ベッド代)
3.自己負担は原則3割

病気や怪我の治療費を支払う場合、窓口で請求される金額は原則3割です。

自己負担額には上限があります。ここで重要なのが高額療養費制度です。

自己負担限度額の目安

自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。以下はその一例です。

70歳未満の場合

所得区分自己負担限度額(1カ月)
①標準報酬月額83万円以上約25万円 + (医療費 – 約84万円)× 1%
②標準報酬月額28万~83万円約8万円 + (医療費 – 約26万円)× 1%
③標準報酬月額26万円以下約5.7万円

※標準報酬月額は、給与明細などで確認できます。

例えば70歳未満・年収500万円の人(上の表②)が、総額医療費100万円の治療を受けると、自己負担限度額は約8.7万円になります。窓口で3割負担の30万円を支払っても、この制度を使えば差額の21.3万円が後で返ってくるというしくみです。

あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けておけば窓口で支払う金額が最初から自己負担限度額の8.7万円になります。

たとえ300万円の医療費がかかったとしても、いくらかかっても、自己負担限度額までの支払いで大丈夫です。

この制度を知らないと多数の民間保険に加入し、月々の保険料が多額になったり、そのせいで貯金ができなかったりすることもあります。

実際に入院してる患者でも貯金がないのにも関わらず消費者金融に借金をしてまで民間保険に入っている方もいます。そういった方にはすぐに民間保険を解約していただくといった手続きを取ることもあります。

つまり、本当に民間保険に加入している必要性はあるのか、という考えにも至ります。

70歳以上の場合

70歳以上の方は負担がさらに軽減される仕組みがあります。


どうやって申請するの?

高額療養費制度を利用するための手続きは以下の通りです。

① 受診後に申請する場合

  1. 医療費を一旦支払う
  2. 健康保険組合や市区町村の窓口に「高額療養費支給申請書」を提出
  3. 審査後、超えた金額が指定口座に払い戻される

② 限度額適用認定証を使う場合(事前申請がおすすめ!)

  1. 受診前に、保険証を発行している窓口で「限度額適用認定証」を申請
  2. 認定証を病院や薬局で提示
  3. 窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられる

事前に「限度額適用認定証」を用意しておくと、支払い時の負担を軽減できるため非常に便利です。


注意点とよくある質問

① 自由診療や差額ベッド代は対象外

高額療養費制度は、公的保険が適用される範囲の医療費が対象です。自由診療や高級な個室の差額ベッド代などは対象外となるため、注意が必要です。

② 家族での合算も可能

同じ健康保険に加入している家族の医療費は合算できます。特に1人では限度額に達しない場合、家族の費用を合わせて申請することで対象になることもあります。

③ 申請期限は2年間

申請は医療費が発生した月から2年以内に行う必要があります。忘れないうちに手続きを済ませましょう。


実際に使ってみた人の声

  • Aさん(40代・会社員)
    「突然の入院で50万円以上の請求が来たときに、限度額適用認定証を使いました。支払いが8万円ほどに収まり、本当に助かりました!」
  • Bさん(60代・主婦)
    「夫婦で病院通いが多く、家族合算で高額療養費を申請しました。窓口の人が丁寧に教えてくれたのでスムーズでした。」

知っておきたい制度のポイント

  • 特定疾病療養受療証
    人工透析や血友病などの特定の病気では、1カ月の自己負担額がさらに低く抑えられる制度があります。
  • 自治体独自の助成
    自治体によっては、高額療養費制度を補助する独自の助成金や減免措置がある場合があります。市区町村窓口で確認してみましょう。

まとめ

高額療養費制度は、高額な医療費の負担を軽減してくれる頼もしい制度です。条件を理解し、適切に活用することで、家計の安心につながります。特に「限度額適用認定証」の事前取得を活用すると、スムーズに治療を受けることができます。

医療費に不安を感じたときは、まず保険窓口や病院のスタッフに相談してみましょう。必要な支援を受けることで、安心して治療に専念できる環境を整えることができます!

知っているのと知らないのでは、お金の守り方や使い方が変わりますね。みなさん、高額療養費制度をしっかりと活用しましょう。

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